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値決めの方法
査定金額を決める要素assessed price
さて、いよいよ査定金額の値決めの方法について述べていきたいと思います。基本的に値決めの要素としては、
- 購入時の価格(市場実勢価格)
- 使用年数
- メーカー・型式が一流か否か
- 制御装置がファナックか否か
- 修理の必要が無いか
- 外観やテーブルの状態に損傷が無いか
というポイントが査定金額に影響します。
査定の考え方way of thinking
査定は“減価償却”を元に、市場の実態に合わせて行われます。 例えば1200万円のマシニングセンタ(一流メーカーの場合)で5年落ちの場合、単純に右表の660万円ということではなく、その1年先の552万円あたりがベースとなります。ここから、上記B〜Eの要素で問題があれば、その分が査定金額からマイナスされていくという考え方です。
また逆に、15年落ちの場合は購入8年後から9年後くらいの金額がベースとなり、250万円から300万円がベース金額となります。20年落ちレベルになると、購入後10年の残存価値を切ってくるレベルになるでしょう。
さらに先ほど算出したベース金額から、上記B〜Dを考慮して
- メーカー・型式が一流か否か
- ・・・一流でなければ2〜3割マイナス
- 制御装置がファナックか否か
- ・・・・・・ファナックでなければ2〜5割マイナス
- 修理の必要が無いか
- ・・・・・・修理が必要の場合は想定費用をマイナス
- 外観やテーブルの状態に損傷が無いか
- ・・・外観が汚なければ1割マイナス
テーブルに穴などがあればさらに1割マイナス
と、考えられます。こうしたことを考慮した査定の例を示します。
査定例
@ 一流メーカーマシニングセンタ、購入金額1200万円、13年落ち、
制御装置ファナック、テーブルにキズ有りの場合
- ・13年落ちでベース金額300万円と算定
- ・テーブルにキズがあるので1割マイナス
- 300万円−(300万円×0.1)=270万円 査定金額270万円
A 二流メーカー(市場シェア7位)マシニングセンタ、購入金額1200万円、
13年落ち、制御装置ファナック以外、外観問題無し
- ・13年落ちでベース金額300万円と算定
- ・一流メーカーでない分3割マイナス
- 300万円ー(300万円×0.3)=210万円
- ・制御装置はファナックで無いが、一流メーカー平成モノなので3割マイナス
- 210万円ー(210万円×0.3)=147万円 査定金額147万円
上記@とAで、同じ年式にもかかわらず、査定金額は123万円の差がつくことになりました。
実際の査定は、その時の市場のトレンドやその機械の細かな状況、工作機械メーカーの状況によって左右されます。もちろん、査定する業者によっても変わってきます。
査定する業者にとって重要なことは、「自分が査定した金額以上で転売できるかどうか」ということに尽きます。そこで査定業者が相場をどのように判断するのかという考え方を、ここでは理解していただきたいと思います。
重量運搬・据付コストconveyance&setting
また、査定においては機械を輸送する際のコストを考慮しなければなりません。
例えば5t車で輸送した場合のコストは以下のようになります。
200km圏内 5万円〜6万円
800km圏内 15万円〜20万円
さらに据付後、機械のレベル出しを行うコストとして、
重量屋実施 2万円程度(仮レベル出し)
メーカー実施 10〜20万円程度
が必要になります。
また、メーカーによってはサービス登録料を必要とするケースもあります。
サービス登録料 10万円程度
こうしたコストも査定の際には考慮することになります。
以上、中古機械の査定のポイントと、査定の算出方法について述べてきました。こうした査定のポイントを押さえた上で、実際には「中古機械買取業者」に機械を引き取ってもらうことになります。